会社員向け

サラリーマンが安定はそもそも間違いである簡単な理由

『なにがともあれ会社員が安定だよな』

『たとえ仕事が上手く出来なくても基本給はもらえるし』

『フリーランスとか不安定すぎて話にならないよ』

そんな風に会社員であることに安心していられるのは、残念ながらすでに昔のことだろう。

誰もが知る大企業のトップでさえも終身雇用の崩壊を明言し始めた現代、サラリーマンであることだけを生活の基盤にするのは、とても危険な時代となった。

今回は、その数ある要因の中から、誰が当てはまってもおかしくない事例をひとつご紹介する。

サラリーマンが安定だと思ってしまう危険なマインド

確かにサラリーマンというのは安定している職業だろう。

『月に働く時間』と『その労働に対する給料』を契約しているので、残業を除けば毎月決まった額を基本給として受け取ることができる。

仮に病気や不調が原因で仕事の出来が良くない月でも、貴方は契約上最低限のお金だけは得ることができているはずだ。

恐らくだが、“サラリーマンが安定だ”と考えている人たちの根拠は、このあたりがほとんどだろう。

そしてそれに加えて・・・

『フリーランスは自分が健康でなくなった途端、生活が崩壊するから危険だ』

『成果物が無ければ収入が得られないので、きっと生活は大変だ』

このような言い訳をおまけとして付け加えるはずだ。

では、考えてほしい。

サラリーマンという地位は、“本当に貴方の将来を守ってくれているのだろうか”

貴方も知っていると思うが、現代の日本社会は、長時間労働や過度なストレス、あるいはパワハラなどによって多くの精神病患者を当たり前のように生み出す社会だ。

年間数万人の自殺者を簡単に生み出すこの国にあっては、誰しもがその被害者となる可能性があることは、容易に理解できるだろう。

それでは、仮に貴方が“不幸にもそんな悲劇のターゲットとなった時”、会社は貴方にどんなことをしてくれるだろうか。

貴方を大事大事に、身を挺して守ってくれるだろうか。

社会復帰するための支援してくれるのだろうか。

・・・残念ながら、現実の会社はそれと“真逆”のことをし始める。

具体的に言えば、『貴方を会社から追い出すための手順』を静かに開始するのである。

就業規則に明記してある『心に傷を負った貴方を更なる絶望に追いやる契約』

まず、貴方が出社できないほどの心的ダメージを負った際、会社は貴方に対して以下の規則に基づいて休職を強制することができる。

 ◇休職に関する規則(例)

 〇 次の事項に該当する場合、その社員を休職とする。

 ① 私傷病で欠勤が1ヵ月に及んだ場合 

 ② ①以外で、自己の都合により欠勤が2週間以上に及んだ場合

 ③ 公職選挙法に基づく職務についた場合

 ④ 刑事事件等により起訴された場合

 ⑤ その他、特別な事情があった場合

この中で今回該当するのは、①の事項だ。

これを『療養休職』と言う。

そして恐ろしいのはここからだ。

もしも貴方が『療養休職』をした場合、会社はその期間、貴方に“給料を支払わなくてもよくなる”。

というか労働していないのだから、支払う根拠がまるでないのは当たり前だ。

たとえパワハラなどの原因が会社にあって、訴訟などを起す準備をしていても、この時点で会社は“とりあえず”貴方を『無給』に落とすことができるのだ。

知っていると思うが、法律上、会社は社員を簡単には解雇することはできない。

しかしその実、“休職扱いにして給料を支払わない”ことにするのは、『就業規則に明記してある故に簡単』なのである。

なにせ就業規則は、貴方がサインした契約書だ。

貴方は、自分で許諾したルールに文句を言うことはできない。

――さて、ここから更に恐ろしいことが起こる。

次の就業規則を見て欲しい。

◇解雇に関する規則(例)

〇社員が次の各号どれか一つに該当するに至った時は、その日を退職の日と定め 、社員としての資格を失う。

① 死亡した時

② 本人の都合による退職を願い出て、会社の承認があった時。

③ 退職届提出後2週間が経過した時

④ 休職期間が満了となり、休職事由が消滅しない時

⑤ 行方不明による欠勤が継続2ケ月に及びなお所在不明の時

もうお分かりだろう。

貴方の心に傷を負わせたのが誰であれ、貴方が数ヶ月のうちに会社に復帰できかった場合、会社は④の事項に基づき、貴方を解雇することができる

もとより、休職が必要なくらいのダメージを負わされているのだ。復帰まで時間が掛かるのは容易に想像できるだろう。

つまり会社は、貴方が黙って泣いていれば、無給の後、そのまま解雇して一件落着。

仮に、貴方が涙を飲んで出勤してきても、『コイツは何をしてもどうせ戻ってくるぜww』とせせら笑い、また貴方を奴隷のようにこき使うことができるのだ。

残念なことに、日本企業ならどの会社もこの仕組みを持っている。

だが、たった今この仕組みを知った貴方は、貴方がピンチになった時、会社は貴方を守ってくれないことに気付けたはずだろう。

――貴方が入社した時点から、そんな契約書にサインさせられているということにも。

貴方が人生を奪われないためのマインドセット

どうか、これを遠い他人の出来事だと思わないで欲しい。

今がどれだけ順調でも、会社で過ごす人生には、必ずどこかで大きな失敗が起きる。

たとえ貴方のポテンシャルが高く、それをリカバリーできる能力を十分に持っていたとしても――同僚、上司、家族、恋人――貴方を取り巻く人間関係がその時少しでも歪んでいたり、よくない外部環境が重なったりすると、普段の貴方なら耐えられるような重圧でさえも、貴方の心を簡単に壊してしまうだろう。

この記事を開いてくれた貴方なら、ありえる話だと理解してくれるはずだ。

なにがともあれ、それを体験してからでは遅すぎる。

職を失い、心までも失い、貴方の人生は想像していたところから大きく転落させられるのだから。

そうならないためにも、どうか会社員で安心したままでいないで欲しい。

フリーランスになれとは言わない。

今すぐ副業を始めようとも言わない。

とりあえず書店やオンラインストアで、仕事や資格の本を手に取る、それでもいい。

『田舎に引っ越して(半)自給自足の生活を始めました』みたいな本を読んで、そんな生活もあるのかと関心してみるだけでもいい。

とにかく、いち早く。

『貴方の人生は会社だけではない』と、そう思ってもらえれば。