防犯や、高齢の親を見守るのにも役立つ監視カメラ。
しかしながら、配線の工事が必要など、特に賃貸では導入のハードルが高い。
そこで今回紹介するのは、Googleが販売・サービスを提供する“Google Nest Cam”だ。
こちらはバッテリー式もラインナップされており、その持続時間は公式で数ヵ月ともアナウンスされていて、配線ができない場所への設置が容易だ。
更にAIの搭載によって、人間・動物・車、もしくは”何かの動き”を検出して、貴方が望んだ通知のみを受け取ることができる。
本サイトでは、電源ケーブル式の屋内用とケーブル・バッテリー兼用の屋外用を併せて、セッティングから使用感、高度な使い方も含めて余さずレビューしよう。
セット内容
屋内・屋外用それぞれ、【カメラ本体、マウント、固定用ボルト、充電ケーブル、スタートガイド】が同封されている。
違うところといえば、マウント方式と電源コードの違いになるだろう。
屋内用は、机や台に置くことが前提となっており、マウントと電源ケーブルが接続された状態で届く(外す事はできない)
屋外用は、円形のマウントをマウント自身の磁力か付属のネジで壁などに設置する仕様になっている。(詳細は次項に)
ちなみに、屋外用でも、屋内用のように台の上に置きたい場合は、筆者のように別売りのマウントを購入することもできる。
設置方法
屋内マウント・屋外マウント・屋外 壁設置
筆者の場合、屋内用は玄関の下駄箱の上に置き、屋外用は、別売りのマウントで台の上に置いたものが一つと、実はもう一つ購入したので、それをネジ釘で壁に固定するカタチで設置した。
首振り角度など
首振りは下方向のみである。
ともあれ、視野が130°と広いので、角度自体をいじる必要がないだろう。
セットアップ
まず前提として、セットアップの方法は、Wifiへの接続を含めて、屋内・屋外用ともに共通だ。
アプリに従って進めていくだけで良い。
ノートPCやスマホをWifiルーターに接続できる人なら設定も簡単だろう。
そうでない人でも、手順通りで進めるはずだ。
Google Nest Camには個体を識別するQRコードが付いているので、アプリによる登録もスマホのカメラに読み取らせるだけで完了する。
そして接続手順の最後には『カメラの設置の手順』まで教えてくれる親切設計だ。
選択画面で自分が望む設置方法を選択すれば、図や短いアニメーション付きで手順を教えてくれる。(正直お節介なくらい)
映像
通常モード
スペック上の違いは、対角画角(視野の広さ)で、室内用が135°、屋外用が130°であること(正直、映像に全く違いはない)
鮮明さも、内臓しているセンサーが共に2メガピクセルのカラーセンサーであることもあって、映像を見ても違いが分からない。
暗視モード
Google Nest Cam は、屋内・屋外共に、暗闇でも撮影可能な暗視機能を搭載している。
普段は、我々が普段目にしている可視光カメラモードだが、部屋が暗くなったり、外が夜になると、自動的に赤外線カメラモードへと切り替わる。
こちらも性能に特段の違いはない。
カメラには6つの強力な赤外線LEDを搭載しており、最低でも5メートルまでは暗闇でも鮮明なモノクロ映像が撮れる。車庫のイタズラ監視には持ってこいだろう。(公式では6.10メートルまで撮れる)
アプリの機能
AIによる検出と通知
Google Nest Cam は、冒頭の通り人・動物・車、そして“何か”が動いた時に録画を開始し、外出中のスマホに通知する機能がある。
更には、映像中のエリアを別けて監視する機能もあり、特に屋外に設置した場合、“道を歩く人々は無視して、家の敷地に誰か入った時だけ録画・通知する”という使い方が可能だ。
エリアは多角形で、頂点を指で編集できる。複数作成することも可能だ。
筆者の場合、映像の手前側は、人の動きが影などの明暗の変化で頻繁に検出・通知されてしまうので、エリアを限定して、ドアの開閉や、カギが“動いた時”に録画と通知が来るように設定した。
AIによる人物認識
AIによる機能の中でも、他社の監視カメラとの大きな違いが、この人物認識だ。
家族や友人を登録しておけば、知らない人物が撮影された時に、そのように通知させることができる。
顔の登録は一度登録すると、以降は、自動的に映像から顔の画像を保存して学習していく。
もちろんデータの削除も可能だ。別人の顔を認識してしまった際は、その画像だけを削除できる。
以下が設定画面(忠実なイメージ)だ。
ここに様々なシーンで切り抜かれた顔の画像が映し出される。
なお、プライバシーなどの設定も、流石は本場アメリカの企業と表現すべきほどに厳格な規約が用意されている。
これもアプリ内で確認できるので、使用する際によく確認して頂きたい。
外出中に確認できること
アプリを使えば、外出中でもリアルタイムの映像や、何か動きを検出した時のみの映像を確認できる。
特に検出時の映像は、何も起きていなかった時間をスキップしながら再生が可能だ。
複数のリアルタイム映像を同時に観ることもできる。
(映像は勘弁して欲しい…)
定額サービスについて(録画の長さや機能)
Google Nest Cam は、機能としては申し分無いレベルを持っているが、その真価を発揮するには、やはり定額サービスの利用が欠かせないだろう。
定額サービスには2種類ある。無料サービスも含めて、本項下部のリンク先から検討して欲しい。(Googleさんの分かりやすい図表を模倣するのは気が引けてしまう)
もちろんおススメは、過去10日分の映像をまるまる保存しておける【Google Nest Aware Plus】という定額サービスだ。
ちなみにカメラは、1契約あたり10台まで追加できる。
1080pの高画質カメラが10台×10日分。その上、AIによる認識と外出中の通知機能……お金を払う価値は十分以上にあるだろう。
だからこそ筆者は近しい親戚の家も守るために、合わせて2つ分のサービス料金を支払っている。
年間2万円を少し超えるが、正直、割安だと思っているくらいだ。
リンク:Google Nest Aware (定額サービス説明ページ)
無断で上がり込む大家や管理会社から身を護るために
すでに日本は安全な国ではない。そのことは若い人ほど身に染みているだろう。
今や賃貸アパートでも、大家や契約会社の職員が、“点検”と称して勝手に部屋に上がり込むことが増加している。
例えば上がり込んだ先で、彼等がうっかり充電器や電源タップを踏み、それで火事になった時に責任を取らされるのは、なぜか借りている若者達だ。
そんな虫唾が走るような事例を、不幸にも筆者は知っている。
だからこそ筆者は、自分がお金を払ってる部屋にもかかわらず、毎日くまなく監視しているのだ。
――この国は、これからますます貧しくなる。
国が貧しくなればなるほど心が貧しい人が増加し、今まで性善説が機能していた社会が、次第に成り立たなくなっていく。
たとえ契約があっても、それは“強い側”が作った一方的な約束事でしかない。弱い側はいつでもそれを反故にされる。
もはや他人が信用できる時代ではない。
自分の身を護ろうとするなら、守る手段が必要だ。
そして今や、技術の面でも安全の面でも、外国のサービスが最善策であることは間違いないのである。